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zoom RSS 切り捨てられた情感

<<   作成日時 : 2010/11/26 00:22   >>

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 平気で嘘をつくし、借りた物も返さない。
 この情緒の欠落はお母さんの教育の賜物だね。

 情操教育のつもりで音楽教室に通わせても、日々の暮らしの中で情緒を育てなかったら何もならない。


 ただ荒っぽいだけの演奏とダイナミックな演奏は全く違う。
 こちらがアドバイスしても、受け取るアンテナが無かったらどうにもならない。
 本人は不真面目に演奏してるわけじゃない。
 アップテンポで豪快な曲は大音量でうるさいと聴こえるし、繊細で静かな曲は平板で単調な演奏にしかならない。味が出ない。
 これだけは教われないし、テクニックで教えても受け取ることができない。
 子供の頃伸ばしかかっていた様々なアンテナを、母親がことごとくもぎ取って行ったんだよね。たぶん。
 だからキャッチできないんだよ。

 機械的な技術は申し分ないと思うよ。
 ただそれはイヤホンから聴き取ってコピーされた機械の音に近いんだよね。
 情感の表現。大切な情感。育まれるはずだったもの。
 お母さんが切り捨ててきたんだと思うよ。


 坊やは優しい男の子だった。
 先生のために廊下を走って椅子を取りに行く子。
 自分で瞬時に判断して行動する子。思いやりのある子。
 人のために無償で動く子。
 でもお母さんは見返りの無いものには一切関わらないように叩き込んだ。
 日々の生活の中でそう刷り込んだ。
 自分が損をしないように、人に構うな、人のことは放っとけ。
 自分の事だけ考えろ。
 人の気持ちなんか思いやってたって得しない。

 そういう人に仕上げたのはお母さんだよ。
 だから平気で嘘もつくし、打算だけでやる気も無いのに習い続ける人になった。








前半の記事は、テーマ<独裁者>
後半の記事は、テーマ<嘘>を選んでもらうと順に並んでいます。



『怪 物 親』のあらすじ
 私kanataは音楽教室の先生をしています。
 13年教えた一人の生徒とその母親について、メッセージ形式でブログを公開してきました。子供を愛し拘束し徹底管理して育てる母親と、自立の芽を摘まれまいと子供なりに自己防衛しながら大きくなる息子。

 高額な楽器を購入し、一戸建てに引越し、車で送り迎えを続ける母親。
 一見、教育熱心で子供のやりたい事を応援しているかのように見えるが、そうではない。息子も一応反抗はするものの、結果的にはいつも自分の希望を抑え、母親の方針に合わせる。

 父親は名前の知れた企業に勤め、収入は多いはず。
 母親は次々と楽器、家、車、子供達の教育資金にと、(これは私の推測だが)支出の上限ギリギリまでローンを組んでいく。
 レッスンは月謝さえ納めたらそれで済むわけではない。楽譜がその都度要る。しかしなかなか購入しない。発表会参加は母親は熱心で積極的だが、会費の支払いには消極的だ。

 クレームは遠慮なく迅速につけるが、自分達に非があった時は知らない振りをする。常に楽器店のお客様の立場として、自分が嫌だと感じる事、面倒な事は避けて通って来た。

 結果、男の子は他人の心情に鈍く、母親の機嫌を伺い、それを中心に物事を考えて行動するいびつな青年になってしまった。
 自分にとって何が得な生き方か、その小さく狭い世界観。
 母親の顔色を伺ってばかりでそれが見に染み付いた男の子。 

 教える立場の私としては、遠方から通いレッスンを続けられる生徒さんに感謝し、多少の事は仕方ないとやり過ごしてきた。
 しかしそれらは全て無意味であったと分かる出来事が起こる。
 言葉とは裏腹に、グレードテストに全く意欲の無い息子。
 受験していなかった事すら一ヶ月間も放置して、平然としていた。



 嘘をついても平気。母親も問題視しない。
 




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