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zoom RSS 広がる不幸〜要らない物があふれた家

<<   作成日時 : 2013/03/11 10:11   >>

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 精神疾患のある人を、無理に結婚させても不幸が広がるだけ。
 何もいい事はない。
 一緒になった相手にも精神的な不健康がうつっていく。


   *   *   *   *   *   *   *

 叔母(父の妹)のアドバイスをよく聞いていた母。叔母は公務員だった。母よりは学歴があったのだ。知識も教養も上だったに違いない。
 母は権威や肩書きに弱かった。
 自分より優れていると思う相手の言う事をよく聞き、真似をした。

 それで子供の習い事も真似をした。自分の子供にもそうさせた。

 
 対抗意識を燃やしているのを悟られないようにしていた。
 叔母さんの家にお邪魔する時、「うちの方がピアノが大きい。」この言葉を絶対言うなと、あらかじめ私に言い聞かせた。
 叔母さんの家に遊びに言った時の事は今もよく記憶している。
 テーブルの上の勧められたおはぎに手をつけず、私は黙って固く縮こまって座っていた。



 ピアノが家に搬送されてきた日の事も覚えている。

 私はそれを一緒に楽器店などへ見に行った記憶は無い。
 母がひとりで注文しに行ったのだと思う。
 中央商店街に新響楽器があった。たぶんそこで購入したのだろう。
 私を音楽大学へ入れると勝手に決めていた。
 ひとりで勝手に決めていた。
 
 そんな所へ入りたいと思った事は一度もない。


 子供に期待を託し、舞い上がり過ぎて現実が見えていない。


 ピアノより歯が大切だ。

 自分の自己満足で、次々と私に必要ない物を与えた母。
 文化的価値はあっても、それが必要かどうかは別問題だ。
 本当に必要なものが真っ先に与えられない家庭だった。
 だから前歯が異常に生えても放置した。

 私に必要だったのは正常な位置にある歯で、それ以外のものは後で良かった。
 
 大きな病院で一度も検査を受けた事が無い。


 当たり前の親ならそうするはずのところを。



 精神疾患のある人を、無理に結婚させても不幸が広がるだけ。
 何もいい事はない。
 一緒になった相手にも精神的な不健康がうつっていく。






 自分の製作した服が大切。
 仕事で多忙にもかかわらず、趣味は刺繍だった。
 自分の作品をとても大切にしていた。
 ピアノカバーは埃がかからないよう、透明ビニールを被せていたし、洗濯は自宅でもできたと思うがクリーニングに出していた。
 そうやって自分の刺繍を愛していた。

 マンションで二人で暮らすようになったら、今度は木彫りを始めた。
 同じように自分の木彫りを大切にした。
  
  
 常に私に要求し、期待していた。
 私に何かを期待するというのは愚かな事。

 与えられたものしか返せない。
 与えたものしか返って来ないのだ。









 今、私は自分のために病院を探し、歯の治療に通っている。

 自分の本物の歯に勝る物は無い。

  

 

 自分の中にあった漠然とした不安の正体。

 それは今でも何なのかは分かっていない。 


 簡単に話しただけでは伝わらない。

 他人に理解してもらえるまで話すには、それなりの気力がいる。

 それでもそうする必要があるのだと思う。




                 END



                尼崎の異常な家庭 bP4 最終話  



 尼崎の異常な家庭
 bP 折れた乳歯
 bQ 永久歯の異常
 bR 病院を探さない親
 bS 間違いだらけの治療
 bT 矯正できたのに
 bU 口腔崩壊
 bV 父はギャンブル依存症
 bW 周囲と協調しない母
 bX 一生分のストレス
 bP0 他人より遠い親
 bP1 棘のある他人
 bP2 肩身の狭いドライブ
 bP3 接点のない親子



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