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zoom RSS 異常な家庭と異常な仲間たち

<<   作成日時 : 2017/05/18 18:01   >>

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 子供の頃、両親のケンカが始まると私は何も言えずに固まっていた。父親の競艇場通いが母に知れ、言い争いが始まる。子供の私にはどうにもできない状況だ。
 母の甲高い声、責め立てる声、金切り声に身がすくんだ。
 静かになったところで両親が仲良くなるわけではない。
 重苦しい険悪な空気だ。
 
 私はそうやって他者のトラブルの渦中で成長した。
 それに対処する方法を学ばず大人になった。
 大人になった今でも、険悪な空気に不安を感じ、緊張する。

   *   *   *   *   *   *   *


 去年8月、ステップセミナー、スタッフとして誘われるまま軽い気持ちで参加した。
 一から複数の人たちと何かを作り上げる作業に全く慣れていない私は、ただ黙って座ってるだけ。 
 それを自分が一番よく分かっている。

 8月下旬から届くメールの量が増え始めた。
 アクシデントが発生したのだ。

 ステップセミナー代表者とマリエが互いの不備を指摘し合うメールをスタッフにも送ってきた。
 それが丁寧な言葉使いだから余計怖いと感じた。

 実行委員会に参加した。
 妹のマユミとはミーティングで何度も会いよく話していたが、姉のマリエとは面識はあったものの親しい間柄ではない。
 不機嫌な様子にどう話しかけていいのか見当もつかなかった。
 
 私は要領を得ず、その日も無言のままだった。
    
 フェローシップでお茶をする。
 モトコ、マリエ、私の3人が残ってその店を出た。
 駅がもうすぐという交差点で3人で立っていた。
 モトコの携帯が鳴った。
 彼女が電話に出て話し始め注意がそれたその隙に、マリエは私に向かって「何も言わへんから分からへんわ。」と言った。
 居ても役に立たん。
 イラつくんやろなと思って一人で先に帰った。

 
 ステップセミナーの前日も当日も、モトコからメールが届いた。
 前日のメールは明日の打ち合わせなど、司会経験者が出席するから来た方がいいと。
 私はカウンセリングの予定が入っていた。
 (欲張ってその後別のミーティングに行き、普段より多くの人と長い時間対話して、ストレスと疲労を感じていた。)
 当日の朝のメールは遅れるからよろしくという内容だった。
 託されたものの私はマリエに話しかける事もできなかった。

 気心も知れない相手だ。
 私には無理だ。

 嫌な緊張と不安を感じながらセミナーが始まった。
 午前中の司会を終え、後は客席で聞いているだけ。
 でも「部屋が暑い、苦しい、早く帰りたい。」と思っていた。
 人が大勢いる休憩時間が苦手で息苦しい。
 終了後のミーティング、最後まで残れず逃げるように帰った。

 翌日、会計報告のメールが次々届きそれを読んで返信などの対応をしたが、晩に右耳の不調が出た。
 耳鼻科に通ったが、それを誰かに伝えるなどとは考えも及ばなかった。
 

 ステップセミナーを成功させる、失敗しない。
 その縛りの中で動いていた。
 多少キツくても、我慢するのが当たり前だと。
 終わってからも自分の事を訴えるなど考えつかなかった。

 だから誰にも話さなかった。

 ステップセミナー自体が私の中で「権威」だった。
 関わる人も、その目標に向けて一直線に動く事も。
 モトコからの前日の呼び出しメールも、当日の遅刻するからと現場を託すメールも、その時は当然の内容に受け取れた。
 今思えば、まるで『上司』と『部下』の間柄だ。
 仕事熱心な『上司』から信頼できる『部下』にメールを送っているのと同じだ。
 
 その時はそれが当然だと感じ、何の疑問も抱かなかった。



 

 今年になってモトコからメールが届いた。

 ステップセミナーで一度出来上がった関係性が、そのまま継続しているかのようだった。
 誰かを当日呼び出せるのは目上の者だ。
 だいたい社会通念上はそうだから。

 私は部下ではない。

 関係は対等でいたい。



 返信を怠ると別の日のミーティング後、分かち合いの内容に意見を言い出した。
 「認知に歪みがあるんと違うかな。」

 これはルール違反だ。
 分かち合いの内容に難癖付けるのは自助のルールに反する。
 安心して話せる場所でなくなってしまう。

 この女はよく上座に座っている。
 マックにも上座はある。
 窓際のクッションのいい席の事だ。
 私は対するフロア側でしかも木の椅子に座っている。
 それが当たり前になっている。
 フェローに誘っても自分はいい席に座る。

 こんな関係性は維持したくない。
 修正しないまま放置すると、とんでもない事になる。

 その責任は自分にある。



 対人面での不安もセミナー終了後の不調も、正直に話さなかった。
 『不正直』だった事に気が付いた。

 そして当日呼び出される事に抵抗があったが伝えなかった。

 なぜこんなに縛りがかかったようになるのか分からない。

 でも、もう縛りは無くなった。
 私はこの女から離れる。



 Gメールを送った。
 これで解放される。


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  「幸福」を餌にするカルト、「回復」を餌にする…。
  自滅する女〜詩6編


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