荒んだ心

 生徒は平気で嘘のつける嫌な大人になった。元々小さい時から母親に、日常的に小さな嘘をついてきたようだ。
 教室のレッスンに行きたくないから。
 練習をさぼりたいから。 
 
 ほんの小さな嘘。
 母親はそれに対応するのにいちいち傷ついていられない。
 将来の目標に向かって先へ進むだけ。
 やがて感覚は麻痺してくる。
 自分の気持ちに鈍感になってくる。
 当然、他人の気持ちにも鈍感になる。

 どこの親子にも多少はある葛藤だったものも、子供の成長と伴に二人の間だけの事では済まなくなる。





 母親は、自分が望んだ大学に子供が入れなかったことで強い不満を抱き、子供は子供で自分を認めない親に対して反発する。
 それまで母親に逆らわず従ってきた。
 クラブ活動さえ母親の意向に合わせて選んできた。
 しかし期待に添えなかった事で突き刺さるような言葉を浴びせる母親。

 息子には裏切られたという思いが生じる。

 大学入学を機に亀裂が入る。
 どんな自分でも愛してくれるかどうか。 
 今までと同じ様に大切にしてくれるかどうか。
 息子の遅い反抗期かもしれないね。
 
 こんな荒れた状態だから、他人への配慮は益々無くなっていく。  

 人が何にこだわりを持って生きてるかなんて知ったことじゃない。
  

 凄まじいエネルギーで子供を拘束して
 他人を視界に入れず
 自動販売機か何かのように扱う。
 金を入れてるんだから文句言わずに自分たちの望みだけ聞いてろ。    
 そんな対応。



 第三者を巻き込むことの大きさが分からない。  

 二人だけの世界で止まったまま。

    






ノンフィクション
『エリート志向の闇~平気で嘘をつく子供』

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