お客様の傲慢~音楽教室の痛い親子

 4月に2度目のグレード挑戦。再び結果待ち。待ってるのは「楽しくてしょうがないです。」と本人は上機嫌。不合格の方が届くのは早い。
 合格の場合、証書と一緒に送られてくるから、やや時間がかかる。

 3週間たっても通知がないと本人は言う。
 もしかしたら合格?と私は明るい方へと予想する。
 待ってる期間はレッスンも保留状態になる。
 本人の希望もあるし、5週目を休むことにした。
 ゴールデンウィークを挟んで3週間のレッスン休止。


 ところが休み明け、本人に聞いたら不合格だったと言う。
 そんな馬鹿な。不合格ならもっと早く通知が来てるよ。
 もうすでに届いてたんだね。 

 まただったんだね。

 何でこんな平然と嘘がつけるんだろう。
 けどそれを問いただすには、あまりにも時間が無さ過ぎる。
 届いた採点結果を見なくては、今後どうするか見極めが付かない。

 持参してないと本人は言う。口頭では分かり辛い。
 今日中にメールで知らせるよう伝えてレッスンを終える。
 その夜いくら待ってもメールは来ない。 

 翌日の午前中も待つだけ無駄と感じ、こちらから速く報告するよう送信。
 その後数分で返信はあった。
 点数は1度目とほぼ同じ。点数もそうだけど、こんなこと繰り返していられない。

 翌日、方針転換して趣味で続けるか、先生を代わるか、よく考えて決めるようメールを送る。返事は数日無く、再度メールする。
 考えてる途中でも良いから、自分の気持ちを簡単に教えてと打ち込んだ。
 返事は無い。
 いつものレッスン曜日を明日に控えた日、私は自宅へ電話した。
 でも留守番電話。とにかくメッセージを入れて待つ。

 4時間後、保護者の母親から連絡が入った。




対 決 
 この人と話してもいつも同じ。
 何事でしょうか?ってはぐらかすような、ゆっくりした口調で虚勢を張ってて、私たちに大きな非はありませんから みたいにとぼけた感じ。 

 「あの子は一番子供っぽくて…。」
 と目の中に入れても痛くない様子。
 生徒は私のメールを見せてないし、予想通り何も告げていない。 

 のらりくらりだらだらと1時間半もの会話。

 これだって無駄だね。

 明日息子さんとと一緒に教室に入って、結論を聞かせてくれと頼んで電話を切った。
 今まで母親に教室まで来てもらおうと思ったら、車を駐車場に預けないといけないから、遠慮してたんだよ。
 でももうそんな事言ってられない。


 こんな習い方するんだったら、趣味で通うのがベストでしょ。
 指導する側のストレスを考えてよね。
 教えるというだけでなく、長年細心の注意を払って、君のあのうるさい母親に対処してきたんだから。いいかげんにしようよ。
  


 そして話し合いが持たれた。
 他人と話す時は本音なんかで向き合わない母親も、こういう場では違うよね。
 本気で息子を怒鳴ってるから。声のトーンもまるで違うよ。
 愛情が深いのは分かるよ。それは充分ね。

 「何の資格も持ってないでどうするの!」ってね。
 それはその通りなんだけど。

 大声を出し合って、帰宅すると頭痛がした。
 二人ともそうだと思う。だけど当たりさわり無くなんてやってられない。
 真剣勝負だからねこっちも。  
 

      
                (決別、そして闘い 2007年4~5月)



ノンフィクション
『エリート志向の闇~平気で嘘をつく子供』

 前の記事
 「粉砕された12年 前編」
 「粉砕された12年 後編」

 「空白と混乱」 
 「お高くとまった二人」

 「上昇志向の果て」    
 「荒 廃」  
   

 後の記事
 「狂った神経回路」


 タイトル一覧
 あらすじ 

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック