蝕まれる心

 坊やは優しい男の子だった。


 でも他人を思いやってたら、自分が損をする。
 だから人には手を貸さず、自分の事だけやっていろ。
 人に構うな。人のことは放っとけ。

 そういうママの価値観に、ボクは合わせるしかなかった。
 子供だからね。


 でも合わせてさえいれば、ある程度の甘えは通るし 
 わがままも聞いてもらえる。

 家の中で大切にされる。

 伸び伸び暮らす居場所を得るのと引き換えに、従属することを選んだのさ。
                              


 慣らされてしまうと、得なんだよね。


 たとえ健全な感覚を蝕んだとしても…







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