家計は火の車~パジェロに乗る女 

用途はミスマッチ 
 近くに教室があるのにわざわざ遠くに通わせるのは、車の送迎を不可欠にし、子供を100%管理下に置くため。
 いつ休んでいつ行くか全て把握し、母親の意思で決定するため。
 徒歩や自転車で通わせたら、本当にレッスンに行ってるかどうか、毎週確認するのは難しい。
 徹底管理ができない。それで子供の足を奪う。

 大きくなって近くの教室へ母親が付いていくのは変だからね。


 週3日、子供を1人づつ、それぞれ違う曜日にに送り迎え。
 道路が混んでいれば往復に1時間半はかかる。
 レッスン時間を含めると2時間強、割くことになる。
 夕暮れ時から夜にかけて、週の半分は子供の送迎に費やす。
 贅沢な時間の使い方は、優雅な生活の証。

 その車は経費の事を考えるというより、ブランドで選んだみたい。
 燃費のいい車種ではない。大型の四輪駆動。
 メンテナンスも車検も普通のワゴン車よりは高くつくはず。




 長い間、教育熱心な人だと思っていた。
 遠くから通って来られる事に、私は感謝していた。
 だけどそれは間違いだったね。

 ああいう車は休日、家族全員でお出かけに使うものだよね。
 高速道路も山道も、力の有りそうな車だから楽に行けるんじゃない?
 家族皆でレジャーを楽しんだり、または買い物に行ったり、用途はそういうのがメインだよ。
 二人だけで音楽教室の送り迎えに使うにはちょっとミスマッチだね。
 大半が街中での少人数乗車に使われて、こういう所に実体が出てるよね。




家計は火の車 
 あの車だったらサバンナへヌーの大群を見に行けるね。
 探検旅行ができる。アマゾンの奥地に行ける。
 岩でごつごつした丘陵を登れる。アメリカ大陸縦断ができる。(笑)

 だけど…豪快に遊ぶとか、遠出して散財するとか、それはあの母親はめったに許さなかったと思う。
 そんな雰囲気ではなかった。
 たまには皆でお出かけする事はあっただろうけど、頻繁には無理だったんじゃないかな。
 豪放に遊べるような一家だったら、楽譜だって買い渋らない。




 家や車や楽器のローン、将来の学費積み立て、子供3人分の月謝。
 全部銀行からの引き落としだよね。
 銀行から引き落とされるお金は、節約しようがない。
 なので財布から出る現金は、できるだけケチる事にした。
 人が立て替えた分は催促されるまで自分から積極的に支払わないようにした。

 どんな生活をされてもその人の自由。
 この家庭は、母親の価値基準の元に動いてる。

 そして現金を扱う時、その人の品性が表れる。
 ごまかしようのない品性がね。

 全てはこの母親の強欲から派生したもの。

 音楽教室はこの一家の最寄駅周辺や、沿線の各駅付近にも、数多く在る。
 それでも高級車で子供を遠くの音楽教室まで送り迎えする。 
 母親の自己満足度をアップさせるため。子供を徹底管理するため。
 逆に言うと、わざわざ無駄で不必要な事をしないと、子供を管理できない。
 優雅な暮らしぶりも誇示できない。


 
 そんな欲を通して余裕が無くなって、本当に必要なものに手が回らなくなった。
 楽譜はめったに買わないし、
 先生と顔を合わせればお金の文句。


 自分の欲望が自分の首を絞めることになった。






ノンフィクション
『エリート志向の闇~平気で嘘をつく子供』

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