パジェロに乗る女 ②

 あの車だったら、サバンナへヌーの大群を見に行けるね。
 探検旅行ができる。アマゾンの奥地に行ける。
 岩でごつごつした丘陵を登れる。アメリカ大陸縦断ができる。(笑)
 それは無理か…まあレジャーなら場所はどこだってかまわない。 

 だけど豪快に遊ぶとか、遠出して散財するとか、それはあの母親はめったに許さないよ。
 そんな雰囲気ではなかった。
 たまには皆でお出かけする事はあっただろうけど、頻繁には無理だったんじゃないかな。
 豪放に遊べるような一家だったら、楽譜だって買い渋らなかったはず。
 

 家や車や楽器のローン、将来の学費積み立て、子供3人分の月謝。
 全部銀行からの引き落としだよね。
 銀行から引き落とされるお金は、節約しようがない。
 なので財布から出る現金は、できるだけケチる事にした。
 人が立て替えた分は催促されるまで自分から積極的に支払わないようにした。

 どんな生活をされてもその人の自由。
 この家庭は、母親の価値基準の元に動いてる。

 そして現金を扱う時、その人の品性が表れる。
 ごまかしようのない品性がね。

 全てはこの母親の強欲から派生したもの。

 音楽教室はこの一家の最寄駅周辺や、沿線の各駅付近にも、数多く在る。
 それでも高級車で子供を遠くの音楽教室まで送り迎えする。 
 母親の自己満足度をアップさせるため。子供を徹底管理するため。
 逆に言うと、わざわざ無駄で不必要な事をしないと、子供を管理できない。
 優雅な暮らしぶりも誇示できない。


 
 そんな欲を通して余裕が無くなって、本当に必要なものに手が回らなくなった。
 楽譜はめったに買えないし、先生と顔を合わせればお金の文句。
 自分の欲望が自分の首を絞めることになった。





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