高慢な親を欺く

 親子間の嘘は、社会に拡がっていく。
 それをこの親子は分かっていない。
 まるで音楽教室の先生は社会の一員じゃないみたい。
 私はこの親子に対して社会の一部だから。

 それを知っていないと相手の気持ちが分からない。
 感情を推し測れない。
 そして相手が何を怒って、何に傷ついてるのかも分からない。


 他人が見えてないからこの母親は、自分の息子が実際よりはやや幼い演出をしてる事に気付かない。

 そういう幼さを見せたほうが有利だから息子はそうしてる。

 母親に余計な攻撃をされないし、当たりさわりなくやり過ごせる。

 母親の気持ちを見透かしてる。


 いかに利用して家庭の中で快適な居場所を確保できるか。
 そして大切な大学でのサークル活動を妨げられないよう、母親の機嫌を損ねないでいられるか。


 
 実は肩書きやブランドにこだわる母親のほうが単純で、息子はもっと複雑な内面を抱えてるんじゃないかな。
 「子供っぽい。」とか「子供で…」みたいに母親に思わせてるだけで。



 そうでなければああまでピアノの鍵盤に入り込んでいけない。
 あの音はイヤホンからとったコピーの音色。
 生身の人間の指導を受けて培ったものじゃない。
 基礎を何段か置きに飛ばして、最上ランクの曲を弾いてる。
 一流大学、一流企業、ハイレベルなコースにグレード…まるで母親の目指すものと対抗するかのごとく。 







 どこまでも親子の閉鎖された空間に居るような気がする。









ノンフィクション
『エリート志向の闇~平気で嘘をつく子供』

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