「真夏のオリオン」感想

 2011年の1月現在見た感想です。
 北川景子さんの清楚な美しさを改めて認識しました。
 「LADY~最後の犯罪プロファイル~」で眉を脱色して、かなりキツイ性格の、我が道を行くヒロインを演じてる彼女ですが。メイクや髪型、言葉遣いでどうにでも変身できて面白いですね。

 玉木宏さんは、「ギルティ」の時とは全く別人ですね。
 最初は姿を見ただけではすぐに分からない位。
 痩せ過ぎで…。
 戦時中だからこの方がリアルなのかもしれませんが。

 

 閉所恐怖症の人はこの映画駄目ですよね。
 もうこんな所に閉じ込められててたまらない。

 画面は地味です。
 わざわざセピア色に撮ってあるんですね。もう少しカラーが出てもいいような気もするんですけど。私たちが見て遥か昔の戦争中の事だから、淡い思い出の中のセピア色なのか、それとも閉鎖された戦いの現場での抑制された心象風景を表してるのか…。

 静かな緊張感。
 心理戦の静かな戦いですね。物語に引きこまれていきました。

 深い海の底。
 金属音があんなふうに伝わるのかと驚きました。
 信号を送って意思を伝える、どんな状況でも。

 静寂だけが頼り。
 だから余計な音楽が入らず、それぞれの感じるままの緊迫感。




 鉛筆で手描きの作戦会議。
 
 サイダーは体の中に酸素をたくさん取り込む手段。
 限られた物の中での最大限の活用。

 何もかもアナログな時代。技術力も経済力も敵より劣ってよく戦っていたと、なんとも言えない気持ちになりました。

 ハーモニカの音色は素朴ですね。
 けれど奏でるメロディの豊かな響き。
 
 楽譜とその旋律が敵との距離を無くしてしまう。
 言語の要らない饒舌。

 それはファンタジー、夢物語でしかありませんが、清々しい終わり方でした。




 有沢志津子(北川景子)が倉本孝行(玉木宏)に手渡す楽譜はイタリア語でメッセージが添えられてる。
 照れがあって日本語で書かなかったのだろうか?
 「愛する人」という言葉をストレートに書くのはためらわれた?
 倉本が読めないようにわざと。イタリア語なら分からないだろうと。

 日本語で書かれていたとしたら、敵国の人が見ても読めない。
 物語は別方向へ行ってしまう。
 あの楽譜をどう使うかがこのストーリーの重要な所。
 せっかく拾ったのに日本語だと、伝わらないし、英語だと露骨だし、音楽大学へ通うはずだった彼女だからイタリア語なら自然になるだろうと。
 相手が読めない譜面に読めない言語を添えて渡して、受け取った側はどんな気持ちがするのだろう。
 記号と暗号が書いてある紙でもそれは嬉しい?
 物資の乏しいい時代だから。
 それを誰からもらったのかが問題であって、中身は関係ない?          
 「お守り」だから。



















 今ならUSBメモリーを渡すようなもの。 






 記号と暗号を読めないものが持っていても役には立たない。
 それを読める者と具象化できるツールが必要。
 だからこの「お守り」は倉本が持っているだけでは意味の無いもの。

 愛のメッセージなら写真を渡すのがベストのはず。
 それは昔も今も同じはず。
 写真の裏に言葉を書く方がたぶん自然な形。
 
 思いを寄せてる相手からの貴重な「お守り」。
 けれど持っているだけでは役立たないのでそれを瓶に入れて海へ放つ。
 敵船が拾い上げてメッセージを理解する。
 終戦の知らせが入る前と後の絶妙なタイミングを挟んでの決断。


 彼女は倉本と敵の艦長の行動を、読んでいたのかもしれませんね。
 いえ、きっと読んでましたね。


 さすがプロファイラーです!!

 北川景子。キタ~~~~~~!!


 「どないや!」
 
 …とドヤ顔で仕切ってるお姿が見えるよう。



 軍医中尉、平岡祐太 さんも今は北川景子さんと同じチームで猟奇殺人犯を追い詰めてますね。
 潜水艦軍医長から転身です。 

 黄川田将也さんは回天で出撃する覚悟の青年。
 あの髪型、キュートですゥ~。(笑)
 やっぱりなんか細田よしひこさんと雰囲気似てるなぁ。
 線の細い感じがたまらないです。
 …てそんなとこばっかり観てる訳ですが。



 戦争物を敬遠しててもこのキャスティングで甘い蜜の香り。

 






キャスト
 玉木宏 北川景子 堂珍嘉邦 平岡祐太 黄川田将也 太賀
 吉田栄作 鈴木瑞穂 吹越満 益岡徹

 2009年6月13日公開

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