「全開ガール」第9話感想

 「今さら告白した所で迷惑かけるだけ。」とビー太郎(高木星来)に答える山田草太(錦戸 亮)。
 一方、鮎川若葉(新垣結衣)も「いいんですか?本当はビー太郎君のお父さんが好きなんじゃ。」と桜川日向(谷 花音)に聞かれる。
 「どっちつかずというか。煮え切らないですね。」と日向。

 週の始まりはラジオ体操。
 ビー太郎は草太に手本を見せてやるといって拡声器で
 「おいらは日向が好きだ。大きくなったら結婚してください。」

 出前に来た草太は若葉に「おれ…。」と言いかけてやめる。

 ウエディングドレスの試着をした若葉を見る草太とビー太郎。

 「いいんですか?今追わなくて。」「もちろん行くわけ…。」「でも一言だけ今言わないと…。」と駈け出し転ぶ若葉。

 鼻に絆創膏を貼って職場に。
 ブライトンの特許問題の訴訟が入った。
 それは西野健太郎(鈴木亮平)が勤める工房だった。「しばらく工房は閉鎖させてくれ。」と社長。
 林佐間男(荒川良々)、鶏井宏(皆川猿時)チャボは若葉に何とかしてくれるよう頼む。
 「私達はクライアントの利益を考えるだけ…。」
 「頼みます。若葉先生。こいつの工場救ってやって下さい。」
 「お力にはなれません。」

 「マルハ工房のこと。」と草太が追いかけてくる。
 「西野さんの気持ち。」「ヒントだけでももらえませんか?」
 「弁護士が相手方の相談は…。」と若葉は断る。

 九条実夏(青山倫子)に相談に訪れるイクメントリオだが「特許のプロでないと無理。」と断られる。

 製品が引き揚げられていく。

 迷うものかとダンゴ虫を追い払いながら、吹っ切ろうとする。
 新堂響一(平山浩行)との新婚旅行の打ち合わせにも集中できない。
 自宅アパートでパソコンで調べる若葉。

 園長先生の花村仁(竹内力)は桜川昇子(薬師丸ひろ子)に頭を下げ西野の会社を潰さないよう頼む。
 「もうあたしは昔のあたしじゃないの。」と桜川。

 園長と出会う若葉。
 「初恋の人だったって本当ですか?」
 告白できずに過ぎてしまったという。
 
 工房にやってくる草太とビー太郎。
 そこへ若葉が。
 「様子を見に来ただけですから。」
 「法律的にはブライトンに非はありません。あきらめるしか…。」
 おれにとって法律は「ばあちゃんから教わった事。
 嘘をついてはいけません。人をいじめてはいけません。
 それって間違えてますか?」

 父親から葉書が。
 自分に正直に。
 「正直だけがおとうが渡せた取り得だから。」

 結婚式の出席者リストを見せ「君が望んでいるものだ。」と新堂。

 九条がブライトンの社長に耐える。
 
 訴訟は取り下げられる。
 「買収作業に入るわよ。」と桜川。
 
 「君はもちろん味方だよね。」と新堂は若葉に念を押す。

 沖縄の食材を買い出しに行く草太。付き添う汐田そよ子(蓮佛美沙子)。
 逆プロポーズするそよ子。

 「なぜ買収を?」と桜川に尋ねる若葉。
 「私の法律への認識がぶれるというか。」「後悔してないんですか?」
 「夢のために自分の想いを封印した事かしら。」と桜川。
 草太に携帯で連絡する若葉。「大切なお話があります。待ってて下さい。」
 
 新堂がル・佐藤に訪れる。
 「少し顔貸してくれないか。」草太を連れ出す。
 彼女の将来を潰すような真似をするな。」
 そして自分は「夢をかなえてあげたい。」とも。
 「何ができる?」と草太に言う。
 「彼女の将来のためには、存在そのものが邪魔なんだ。」


 ひとりになった草太に若葉が近づいて行く。
 「今話せますか?」
 指輪を外し「迷ってるんです。」
 「私はあなたが好きです。」
 「私はダンゴ虫が大好きなんです。」
 「オレも若葉さんが好きでした。」
 「オレは今他に好きな人がいます。そよ子さんです。」
 後ろにそよ子が。「あたしでいいんですか?」
 草太は背を向けそよ子の側へ。
 手を繋ぎ去っていく。
 
 

 第9話、一度退場したはずの汐田そよ子が突然草太にプロポーズ。
 そよ子と新堂は、若葉と草太の二人の間を妨害する役割です。
 新堂の存在は4話目頃から自然な感じで二人の恋に絡んでると思うのですが、そよ子はなんか今回は唐突でしたよね。
 来週は再び元妻、リリカ登場。
 リリカはビー太郎を取り戻そうとしているのか?
 先週、山形へ帰って行った父親から葉書が届いて自分に正直になれと。
 これは草太と若葉を応援ですね。





 若葉は子供の頃、自分と父親を守るために法律を勉強し奨学金を受けて弁護士になりました。
 守るための延長線上に弁護士という仕事があって、自分が大人になったら必然的に子供時代の無力さはなくなります。
 ことさら守らなくても生きていける状況に。
 だから今度はなぜ自分がこの職業に就き、続けていくのか理由が必要になります。

 第9話では弁護士という職業について、若葉が考えます。
 弁護士像というものがクローズアップされます。




 貧しかった子供時代の反動で、高収入をゲットできる資格を得ました。

 子供の頃、借金返済で責められること、追いたてられる事の苦痛を身を持って体験しています。

 彼女の場合、お金がないことより、借金取立ての精神的重圧や攻撃の方が実は大変だったんじゃないでしょうか?

 だから大人になって普通に収入を得て生活できるようになると、本当に自分が欲しかったものはなんなのかを知るようになります。
 自分が真に幸せを掴むためにいったい何が必要なのか、草太の出現で彼女は知ります。
 「お金」が目的だと思い込んでいたのは実は錯覚で「追いたてられる状況」から抜け出すことが本当の目的だったんですね。
 すでに知ってしまったのですが、がむしゃらに突き進んできたものを急に方向転換するのは難しく、ブレーキをかけたりハンドルを切ったり、あまりにもかけ離れた体勢に自分でも戸惑います。

 それでも自分をごまかすことはできなくなり、草太に告白しました。

 ひとりの女性の子供時代から歩んできた長く苦しい道のり。
 まるで御伽噺のような教訓が込められていて、見ていて決して楽なものではありません。
 これほど努力してきたのに、まだ更に努力しなければ女の子は幸せを掴むことはできない。
 そんな厳しい世界観ですよね。

 このドラマを見てあまりホッとできないのはそんな根底にある世界観のせいかもしれません。


 

 女の子の幸せが愛する人との結婚であるのは間違いありません。
 だけど弁護士になって、同じ高収入の弁護士と一緒になると駄目なんでしょうか?それは女の子の幸せではないんでしょうか?
 同等の職業の者同志が恋愛バトルをなぜ繰り広げないんでしょうか?

 貧しかった生い立ちだから、ムリせずに草太を選びなさい。
 草太の境遇の方がお似合いですよと言わんばかりの物語。
 もうこのドラマ自体が新堂とかに代表される高収入、ハイソサエティを否定して描いてるんですよね。
 逆にル・佐藤の草太やイクメントリオに代表される庶民派をものすごくひいき目に描いています。

 所得が低くても悪い人間はいるし、反対に高所得の人間性豊かな人もいますから。
 このあたりはどうなんだろうと思います。

 しかし月曜9時。
 やっぱり時代の最先端を歩いてることに変わりはありません。

 

 「やまとなでしこ」と似ているようでヒロインの位置は違います。
 こちらは高収入の誰かと結婚して地位を確立する野望を抱きます。

 でも「全開ガール」の若葉は、すでに将来、高収入を得る可能性の高い職業に就いているわけですから。

 高収入の医者や弁護士の男をゲットするのではなくて、自分が医者や弁護士になる。
 そこからスタートするわけですから。
 
 草太の方が高収入の彼女をゲットしたって見方になります。
 彼女を支えて、仕事で忙しい彼女のために料理を作って尽くす男子。
 子供を育てる優しいイクメン。
 収入が多くなくても若葉が稼げばいいのです。
 
 
 もはや月9は皆の一歩先をリードし、先へ行き過ぎて誰にも理解されない状況になってるのかもしれません。

 




 第1話  第2話  第3話  第4話   第5話
 第6話  第7話  第8話

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック