「ライア-ゲーム ザ・ファイナルステージ」感想

 どんな窮地に陥っても、秋山深一と神崎直は最後に勝利します。
 そして敗者に手を差し伸べ、負債を消し去って物語はジ・エンド。
 テレビドラマ「ライアーゲームSeason2」と同じパターンで、「ザ・ファイナルステージ」もたぶんそうなのではと、何となく予想はしていました。
 騙し合いから、助け合い、救い合いになってピリオドが打たれます。
 後味は悪くありません。


 それにしても、ゲームの工程を楽しむ所まで行きません。
 ルールを把握する前に物語が終わってしまいます。
 それは「ライアーゲームSeason2」でも同じようなものでした。
 ルールがややこしいというか、凝りすぎてる気がします。
 ゲームってシンプルだから楽しいのではないのでしょうか?

 ここまでねじれていると、よほど頭のいい人か、ゲームオタク、ゲームマニアでない限り、その世界に浸れないのではと思います。
 一度観ただけでは、ルールは完全に頭の中に入ってきません。
 なので次々追われるように、ただ事実を確認していくだけ。
 頭のいい人でも、理解する段階止まりなのではと思います。
 DVDや録画などで繰り返し観るのが最善なのでしょうか?
 そういう意味で、かなりマニアックな作品だと思います。



 じゃあ何を楽しんだり、何にハラハラドキドキ感を得ているのかというと、やはり登場人物への感情移入でしょうか。
 
 ゲームに参戦するプレイヤー達は嘘をつき騙し合い、誰を信じていいか分からないという精神状態に陥ります。
 その心理状態を共有していくんですよね。

 不安や疑心暗鬼、猜疑心。
 プレイヤーの心の中は、マイナス思考で満たされます。
 そうやってギリギリまで追い詰められ限界まで来ます。
 最後にやっと解放の瞬間が訪れます。

 ホッと安心する。
 緊張状態がキツければキツいほどその安堵も大きい。
 反動ですよね。
 そこで終結するからいいのでしょう。



 パターンというか、一番これがシンプルな楽しませ方ですよね。
 たいていのサスペンスやホラー物と同じですよね。 

 ゲームに焦点を絞り込んで描いているようで、やはり主役は人間ですから。
 ゲームそのものは無機質で機械的な数字の羅列。
 ルールに乗っ取って事務的に結果、勝ち負けが出るだけ。
 そこへ人間の心情が絡んでこないと、無味乾燥になります。




 プレイヤー達は神崎直の純粋な気持ちに押され、影響されます。
 必ず裏切る人が出ると分かっていても、直はあきらめません。
 全員が誰とも何もしゃべらずに淡々と投票を繰り返すのであれば、勝ち負けは偶然や運です。
 けれど話し合って約束して、結果を見る訳ですから。

 彼らが見ているのは、信頼関係を測る具体的な数字です。
 何度投票しても信頼し合ってる者同士という表示にはなりません。
 それでもあきらめる事無く話し合い、言葉で約束します。

 自分が言った言葉は嘘なのか真実なのか、知っているのは自分だけです。
 だからここで相手との信頼関係を取り、安全で中庸の利益を得るか、騙して陥れて大きな利益を掴むのか、どちらかを選択する訳です。
 結果がどう出るかは、他のプレイヤーの選択によって変わってきます。

 神崎直は粘り強く信頼へとプレイヤー達を説得します。

 揺るがない何か、確かな何か、それがないとやっていけないと、皆が気づくまで。
 現実の世界で一番必要なものを、直が繰り返し提示します。
 何度騙されようと揺るぎません。
 ゲームを見ていると同時に、神崎直が何度打たれても起き上がり、信頼関係を築き上げていくプロセスも見ている。
 そんな作品とも受け取れます。
 

   



 セットや小道具は中世ヨーロッパを連想させます。
 焼印など時代がかった小道具ですよね。

 テレビドラマのゲームは閉鎖された建物を舞台にしていました。
 止まったままのエスカレーターが、現実の日常との接点でした。
 「天使と悪魔ゲーム」ではボウリング場のレーンが使われていました。
 元々の用途と違う使い方をする光景に不思議な感じがしました。

 その点、映画の方はゲームをする場が元は何の建物であったのかは分かりません。
 デコラティブで大掛かりですが、現実との接点が見えない分、夢物語的な色合いも強くなっていました。
 



 プレイヤー達のコスチュームも見ていて楽しめました。

 直のカーディガンと坂巻マイ(濱田マリ)のスカート、共に緑で色彩として際立って綺麗でした。
 福永ユウジ(鈴木浩介)のシャツはサイケな柄でしたが、百瀬ノリカ(秋本祐希)のワンピースもたぶん同じ時代のデザイン、柄ですよね。
 こんな風に互いのコスチュームをシンクロさせたり、共鳴させたりして、面白いです!
 

 そして秋山を演じる松田翔太は魅力的です。
 あの囁くような話し方、声の響き、いいですよね~。(^^ゞ

 戸田恵梨香も可愛い~。




 …ではあらすじなどを。

 直は全員で赤を入れようと皆に呼びかけ同意を得る。
 しかし…。

 第1回投票結果 金3 銀4 赤4

 直は秋山、フクナガらと6人でチームを組む事に。
  
 第2回投票結果 金0 銀11 赤0

 まさかのフクナガが裏切った。

 「オレには投票したりんごが見えている。」と秋山。
 6対5になって直たちが勝つ可能性はない。

 第3回投票結果 金11 銀0 赤0
 全プレイヤーがマイマス1億円に。
 「次は多数決で勝つ。」と秋山。
 「いい事を教えてやろうと思ってな。」
 
 第4回投票結果 金7 銀4 赤0
 二人裏切ってマイのチームは負けた。
 「もう一度皆で赤を入れませんか?」と直。
 「江藤の他にもう一人裏切り者がいた。」
 フクナガだった。

 第5回投票結果 金2 銀0 赤9 

 第6回投票結果 金1 銀10 赤0 

 裏切り者はニシダ。
 秋山のメッセージを読んで皆は焼印を投票箱の下に入れた。

 もうひとり裏切り者がいた。
 それはエックス。エックスは用心深い。
 焼印を全部揃えて直が全員分を投票する事にした。

 第7回投票結果 金1 銀0 赤10 

 「いい加減人を疑う事を覚えろ!」と秋山。
 「人を信じる事ができないんですね。」と直。
 「勝手にしろ。」
 
 第8回投票結果 金4 銀6 赤1 

 ひとりだけ赤りんご、マイナス10億円。

 ユキナは直を偽善者と呼ぶ。
 しかし失楽園行きになったのは秋山だった。

 「違います何かの間違いです。」と直。
 「君を守るために赤りんごをそろえようとした。」

 「ひとりで闘え。」
 秋山に迎えが来て部屋から出ていく。

 10人でのゲーム。
 「5対5の場合は引き分け。」
 「どう?秋山が自分の犠牲になった気分は。」とユキナ。
 「好きなりんごを投票してきて。早くしないと赤を入れるわよ。」
 
 「これから債務の返済手続きをしていただきます。」とエリー。
 中へ入った秋山。「おまえ。」
 「取引をしませんか?」そう言うヨコヤ。
 「エデンに戻り優勝する。全額を私に差し出す。」
 「負けた場合もお支払いいただきますよ。50億。」
 
 江藤は「赤なんて入れる訳ないだろう。」
 「騙されてるほうはおまえの方だ。タケダ。」
 「ユキナさんは本当は赤なんて持っていません。」と直。

 「まだ投票タイムは続いています。」
 そこへ秋山がゲームに戻る。
 「早く投票して来い。」と秋山。
 ユキナの言っていることは「ただのはったりだ。俺を信じろ。」

 第9回投票結果 金6 銀3 赤1 

 「そのプレイヤーはタケダユキナ様です。」
 「待って、ちょっと待って。あたしは赤なんて入れてない。」
 「ユキナさん、もう一度全員で赤を
 もう一度だけ人を信じてみませんか?」直は言う。

 その時扉から煙が。
 皆が部屋の中に駆け込む。
 秋山は金のりんごを燃やしてしまった。
 「エックスと取引をする。」
 「このゲームを終わらせる。赤を入れてくれ。」
 「おまえら焼印を渡せ。」
 「これで赤が揃うぞ。」

 第10回投票結果 金0 銀2 赤9 

 「おまえらホントバカだよな。」
 「全員の赤りんごを作った。」
 「ゲームを支配しているのはこの俺様だ。」と秋山。
 
 第11回投票結果 金10 銀1 赤0

 「まんまと騙されたぁ。エックス、オレたちの芝居に。」
 
 「おまえがエックスなんだろう?センドウ。」
 「エックスはタケダより前に投票したプレイヤー。」
 「いいか。
 江藤がエックスではないという事実だ。」
 
 「エックスは11人全員のりんごを投票していない。
 自分でりんごを投票したおまえがエックスだった。」
 秋山は金のりんご10個燃やさずキープしておいた。
 直が10個のゴールドを運び出しておいた。

 「おまえには仲間がいなかった。そこが勝敗を分けたんだ。
 隠した赤りんごでも拾いに行くつもりか?」
 
 センドウに勝つ必勝法がある。
 「全員シルバーを投票しろ。」と秋山。
  
 全員シルバーならマイナス一億。
 
 第12回投票結果 金0 銀10 赤1 

 「マイナス10億のプレイヤーはセンドウアラタ様です。」
 「ついにエックスを沈めた。」
 「なぜだ!?」センドウは叫ぶ。
 「おまえは自分で赤りんごを投票した。」
 秋山が赤りんごをライターの火で炙ると銀色に。
 「赤りんごはシルバーでできている。」
 「中にICチップが入っているんだろう。」
 「ニセのシルバーを投票した。」

 最後の投票。
 「全員赤を入れて下さい。」と直。
 「でもセンドウさんはシルバーを入れて下さい。」
 そんな提案に誰かが乗ると思ってるんですか?」とセンドウ。
 「赤を揃えればいい。」
 「誰が何と言おうとセンドウさんを救います。」と直。
 
 第13回投票結果 金0 銀0 赤11

 「11人全プレイヤーの勝利になります。」
 「人を信じるというのも悪くない。」




 「主催者はどこだ?」秋山はエリーに尋ねる。
 「ライアーゲームとはただのギャンブル。
 新たなゲームが開催されることはないでしょう。」
 「あなた方は勝ったのではないですか?」
 「人間の欲望に。」

 過去に負債を背負った人の借金に当てることに。
 ヨコヤさんが譲ってくれたお金も含めて。
 




『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』
[ 2010年3月6日公開 ]

キャスト 
戸田恵梨香 (神崎直)
松田翔太 (秋山深一)
鈴木浩介 (福永ユウジ フクナガ)

荒川良々(西田二郎 ニシダ)
濱田マリ (坂巻マイ マイ)
和田聰宏 (江藤光一  エトウ)
関めぐみ(武田ユキナ ユキナ)
秋本祐希 (百瀬ノリカ ノリカ)
永山絢斗 (久慈サトシ サトシ)
鈴木一真 (横谷ノリヒコ  ヨコヤ)
松村雄基 (五十嵐衛 イガラシ)
田辺誠一 (仙道アラタ センドウ)

吉瀬美智子 (エリー)
渡辺いっけい (谷村光男)
スタッフ
監督 松山博昭
脚本 黒岩勉

解説 goo映画より
ついに開催される「ライアーゲーム」最終決戦に、神崎直、秋山深一らプレイヤーが呼び戻される。今回の“エデンの園ゲーム”は、金・銀・赤の3色のリンゴのうち、プレイヤーが一つを選ぶという単純なもの。全員が赤を選択すれば、参加者全員が1億円を獲得できる。しかし、もし金・銀に手を出した者がいた場合、赤を選択したプレイヤーはマイナス1億円となる。つまり全員が赤を選択し続ければ、主催者から賞金を得られるのだ。直は「赤いリンゴを揃えましょう」と呼びかけるが、優勝賞金の50億円に目がくらんだプレイヤーたちは、互いを出し抜こうと策略を巡らせ…!?

あらすじ goo映画より
巨額のマネーを賭けて騙し合う謎のゲーム“ライアーゲーム”に巻き込まれてしまった女子大生・神崎直(戸田恵梨香)は、天才詐欺師・秋山深一(松田翔太)の力を借りて次々と難題をクリア、なんとか決勝戦までたどり着く。ふたりが挑むファイナルステージは、失われた楽園の名を冠する禁断のゲーム「エデンの園ゲーム」。優勝賞金は50億。プレイヤー全員が互いに信頼し合い、協力すれば、参加者11名全員がゲームに勝つことができるという。だが、決勝進出者の中には最強の刺客“プレイヤーX”が姿を潜めていた……。運命に選ばれし者だけが生き残る究極の頭脳戦が幕を開ける。果たして最後に勝利する者は誰か。そして、谷村光男(渡辺いっけい)やエリー(吉瀬美智子)が所属するLGT(ライアーゲーム・トーナメント)事務局の真の目的とは……?




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