24歳の時知り合い好きになった人は独身主義だった。
 個性の強い人で「今から会えるか。」と電話してきたり、デートは全く予定が立てられなかった。
 振り回されたけど、そういう人を好きになってしまった。

 それが苦痛だったからか、今度は正反対の人に魅かれたりする。
 穏やかな性格の人に無意識に傾いて行ったような気がする。

 自分の気持ちに気づくのにも、ずいぶん時間がかかった。

 その人を好きだと認識して、告白するような状況でもない。
 それまでの延長線上での関わりしかできなかった。

 バレンタインデーにドアを開けて入ってきたその人は、普段とは少し違うオシャレな格好をしていた。
 コロンの香りがした。
 男性用のコロンの香りだ。
 そんな事は初めてだった。

 昼間は彼女と会っていたのかと想像できたが…。

 それから間もなくだったと思う。
 左手薬指に指輪がはまっているのを見た。

 プライベートまで知る訳もないが、たぶん婚約したのかと思った。 

 
 やがてその人とは会えなくなった。

 そんな淡い恋の思い出。
 


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