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zoom RSS 上昇志向の果て

<<   作成日時 : 2010/02/08 08:41   >>

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 生徒が教室に財布を置き忘れる出来事があったのは、これをさかのぼる2年前の事だった。2004年の秋、生徒が高校3年生の時。
 レッスンが終わって帰宅し玄関の扉を開けた時、ベルが鳴っていた。
 電話の側まで行って受話器を取るのは間に合わなかった。
 着信データを見ると、未登録の携帯電話からだった。
 知り合いのはほとんど登録済みだから、気にせずそのままにしておいた。
 その後、十数分はたったか再び着信が鳴った。
 それが保護者からのだった。

 教室と私の家は徒歩10分ほどの距離。
 仕方ないから「明日の朝見に行きますから。」ということで電話を切った。
 
 クレームの電話も速くかかってくるけど、この時が一番速かったね。
 超速攻。
 人を使いに走らせる時は、何の遠慮も無く、ためらいも無く、
 しっかりコンタクトを取ってくる。
 一度掛けて不在でも、あきらめずに再度掛けなおす。
 あの未登録の着信は帰宅途中にかけてきたものだった。

 母親にとっても生徒にとっても緊急の用事ってこと。
 それは良く伝わってきた。
 それはもちろんそう。財布は大切だからね。



 大切だから電話した。連絡を入れた。

 自分たちにとって大切なことだけ連絡を入れる。

 相手は情報が必要な立場でも自分が億劫に感じたら、連絡しない。


 サイフは現物だから、急がないと紛失してしまう。
 急いだら発見できる。サイフを取り戻せる。


 でもテストが失格になったことは、どうにもできないアクシデント。
 納めた受験料は返ってこないし、知らせるのを急いでも意味が無い。
 この母親にとって一番大切なのは、そういう現物。
 他人の気持ちは優先順位の一番最後。
 これがこの母親の教育方針さ。
 小さい時から子供に繰り返し刷り込んできた。


 そして見事にそういう男の子に仕上がった。
  







ノンフィクション
『エリート志向の闇〜平気で嘘をつく子供』

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