頑固すぎる女

 息子はもうオルガンには興味が無くなり、ジャンルも絞られてきた。だからそちらの専門家について習った方が、遥かに有意義。

 独学もいいけどピアノはタッチが命。変な癖が付く前に指導者に着いた方が、いいに決まってる。そう簡単なものじゃないから。
 周囲の人は上手だとか、プロ並だとか誉めそやすかもしれないけど、それはあくまで素人耳だから。
 自己満足に終わる。自分だけの世界で終わる。


 母親は、オルガンの資格取得に固執し続けて現実が見えてない。
 だからアドバイスも耳に入らない。
 現実から離れて行ってはどうしようもない。
 この母親の世界観は現実からズレて行ってる。
 そして、それを指摘する他人の意見を聞かないんだよね。
 聞き流して真剣には受け止めない。

 子供諸共、自分達だけの世界に入り込んでしまって、他人を受け入れない。
 自分の胸の内を明かさない。
 大切な事は黙って隠して、意思疎通を図ろうとしない。
 指導する人のアドバイスは聞かず、営業の人の言う事は鵜呑みにする。
 これがそのいい例だよ。
 営業の人はお客様として自分を立ててくれる相手だからね。プライドが高く、いつも自分が優位に立ちたいこの母親にとっては、最高の存在。
 楽器店に限らず、営業さんとの人間関係が母親にとっては最高のもの。
 
 先生はともすると自分にとって煙たい事も言うかもしれない。
 だから自然とバリアを張ってる。相手は専門職なのに安心して委ねない。自分を導く人をシャットアウトして、成果だけ得ようとしている。
 息子も全く同じ姿勢だよ。
 自分の世界だけに入り込んでしまって、先生のアドバイスを遮断してそれでも形だけはレッスンに通う。
 相手の気持ちを考える事もなくね。



 それは音楽に限らず、この先の親子の生き方全てを象徴してるはず。
 他人を受け入れない。
 遠巻きの、距離の有る関わりだけがベストになる。
 距離を置いた付き合いだけが、支障無くやって行ける。そういうことだよね。
  


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