尼崎の異常な家庭 №3

 両親はその後も大きな病院を探そうとはしなかった。
 よく言われた。
 「あんたは口が小さいから、見えへん見えへん。」
 口を閉じてしまえば外からは見えない。
 見えないから気にするなと。
 結局それで済ませてしまった。



 病院を探そうとはしなかった。
  
 母が真剣になって探したのはピアノの先生だった。


 「あの先生は月謝を上げて。高い。こんな高い月謝で通えない。」 
 そう文句を言われた。
 習いたかった訳ではない。
 毎日の練習は苦痛だった。

 父親の妹、私の叔母の子どもがピアノを習っていた。
 従姉は私より10歳年上で、音楽大学を目指していた。
 母には対抗意識があった。

 義理の妹に。


 卒園してから通い始めたピアノの先生が月謝を上げたのをきっかけに、別の先生を探しそちらへ代わった。
 母親の口癖「楽して金になる。」
 自分のしている仕立ての仕事は肩がこって辛い。
 ピアノを教えるなら「座っているだけで、自分は何もしないで楽。」
 だから「楽してお金になる。」が口癖だった。

 そういう職業に付かせるための習い事。




 父親は精神に疾患があったが、
 そんな人と結婚した母親もまた非常に価値観が歪んだと思う。

 周囲に見栄をはる事。



 それだけが生きがいだったようだ。



            尼崎の異常な家庭 №3 病院を探さない親                   





 尼崎の異常な家庭
 №1 折れた乳歯
 №2 永久歯の異常

 №4 間違いだらけの治療
 №5 矯正できたかもしれない
 №6 口腔崩壊
 №7 父はギャンブル依存症
 №8 周囲と協調しない母
 №9 一生分のストレス
 №10 他人より遠い親
 №11 棘のある他人
 №12 肩身の狭いドライブ
 №13 偉そうな伯母
 №14 要らない物があふれた家


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