日常化した嘘

 この人は「言えない子。」ではなく、「わざと言わない大人。」になっていた。
 たぶん高校生のあたりからそういう変貌を見せ初めて、大学入学を機に更に状況は悪化していったんだろうね。

 報告する必要がある大切な連絡事項も、自分の不利益になれば隠す。
 そのために嘘をつき、目先の利益や打算を優先させるようになった。
 子供の頃と違うのは、後ろめたさがなくなった事。
 バレても気まずくないし、平常心で居られる。
 既に感覚は麻痺してて、嘘をつくのが常態化してるんだよ。

 家庭の中はいったいどうなってるの?
 君の父親は何も忠告しないの?
 それを不思議に思うよ。
 仕事が多忙で家を空けることが多く、自分の息子の心理状態を知る余裕は無いのかもしれないね。

 たかだか音楽教室での出来事だなんて思うのは大きな間違いだよ。
 この人の今後の行動パターンの縮図、型みたいなものだから。
 社会との関わりの基礎だよ。
 母親との信頼関係を築けなかった子供の悲劇だよ。
 人との関わりで一番必要な、その基盤がない。

 加えて母親の狭い心。その空間の中で息を詰まらせるように大きくなって出来上がった世界観がどんなものか、想像してみてよ。
 
 外側だけはきれい。
 言葉遣いも立ち居振る舞いも、外見も、遠巻きにしてる人たちはたぶんほとんどが、この一家を素敵だと見るんだろうね。
 特に商品を購入してもらう立場の営業さんなんかは、ちやほやして、持ち上げて。そういうのに慣れてしまって、本音で話せる人間関係の大切さを感じなくなってしまったんだよ。
 
 いい芽はほとんど全部摘まれてしまった。
 真っ当な男の子はどこにもいない。
 それは、長所も短所もあるけどバランスが取れてる人って意味。
 社会性が有る人って事。
 

 育てた母親にそれらが備わっていない。
 社会性が有るような素振りを見せるだけで、実際はそんなもの無いから。
 良識の有る女性という仮面をかぶってるだけだから。







ノンフィクション
『エリート志向の闇~平気で嘘をつく子供』

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